それにしても俺とレイラの秘密を知っているのが不思議だったが、最近その理由もわかって一安心だ。クライトン伯爵の話によると、1人のメイドがレイラの部屋を漁っていたところを捕まり、全て白状した。
そのメイドはシャルロット嬢の友人で、金品を探している時に偶然手紙を見て、彼女に情報を渡していたらしい。しかもそのメイドの部屋にはレイラの宝石だけでなく、俺達の手紙もあったという。どうりで返事がこないはずだ。もちろんそのメイドはもういない。紹介状の無いメイドなど、どこも雇ってくれないだろう。
裕福な家やその婚約者ばかりに手を出していたところを見ると、シャルロット嬢は成り上がることが目標だったのだろう。またレイラのように生まれつき裕福な令嬢への嫉妬もあり、手当り次第に陥れようとしたのかもしれない。
もちろんレイラはそんなこと知らなくていい。結婚前に俺のせいで不安にさせてしまったが、これからはわずらわしいことは何一つ君に見せたくない。レイラには幸せな気持ちで惰眠をむさぼってほしい。それを守るのが騎士であり、夫である俺の仕事だ。
(これからはそういったまわりの感情にも気をつけ、危険人物からレイラを守っていかねば……)



