本当に嬉しい。リドルさんは働き者が一番好きみたいで、私のことを気に入ってくれたようだ。片付けまで終えて挨拶すると、リドルさんは「また明日ね〜」と手までふってくれた。これなら明日からも、ここで働けそう! 今日はギークという騎士に嫌がらせをされてつらかったけど、リドルさんという味方もできたから一歩前進した気がする。
(パーティーが開催されて、地味に生きていれば、私の存在なんてみんな忘れてくれるよね……。ううん、そう願うしかない!)
そんな願いを胸にリディアさんと一緒に騎士団寮内から王宮に戻ると、私の新しい部屋の準備が整っていた。リディアさんの隣の侍女部屋で、日本でいう1LDKといった感じだ。キッチンもお風呂もちゃんとついていて、昨日泊まった客室とは違うけれど、備え付けの家具も品質が良い。
「昨日の客室より狭くなりますけど、大丈夫ですか? 嫌でしたら変えることもできますけど……」
「とんでもない! このお部屋でも贅沢すぎるくらいです! ありがとうございます!」



