竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜



(そうなのかな? それなら助かるけど……)


 少しだけでもあの場にいた女性たちや、ギークのような家族の怒りが少なくなってほしい。そのためなら、私も何かお手伝いをしたいけど、きっと関わらないのが一番よね。それとも、裏でお料理のお手伝いをしようかな? そんなことを考えてチラリとリドルさんを見ると、彼は眉間にしわを寄せ何か考え込んでいた。


「でもなあ、僕はそもそもあのパーティーに意味はないと思うよ。だって竜王様は自分のお妃様を決められるお立場じゃないんだし」
「え? そうなんですか?」


 竜王様は、自分の結婚相手を決められない? 王族だから政略結婚とか、そういうことだろうか? 私が不思議に思って聞くと、リドルさんは「そうか、リコは知らないんだね」と言って、詳しく説明してくれた。



「竜王様のお妃様は、次の竜王様が決めるんだよ」
「え? 次の竜王様? 血が繋がっていないのですか?」