竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜


「はいはい、二人ともそこまで。リュディカはあと少しだけ休憩したら、仕事に戻ってね。トレジャーは竜気が溜まって苦しいんだから、大人しく寝てなさい」
『は〜い』
「しょうがないな」


 二人は納得すると、リュディカは私の膝枕で芝生の上に寝転び、トレジャーはまたポケットの中に戻った。二人はさすが親子というか、同時に喉をクルルと鳴らし始め、ご機嫌なようだ。


(なんだかんだ言っても、二人はこのやり取りが楽しいのよね)


 毎日のように繰り広げられる茶番のような光景に軽いため息を吐いたあと、私はそっとお腹に話しかける。


「あなたも大変なパパと、お兄ちゃんをもつことになるわね」


 私は今、第二子を妊娠中だ。しかし今度は卵じゃない。竜王になる子どもは一人と決まっているので、第二子以降は人間の赤ちゃんとして生まれてくるらしい。


 トレジャーはまだ人間の姿にはなれない。リュディカいわく、最初の人間化にはかなりの力がいるので、竜気を溜め込む必要があるのだ。今がまさにその時で、もうすぐ人間の姿も見られると言われている。


(いつ人間化してもいいように、服も準備してあるんだけど、まだ時間がかかりそうね)


 反対に今お腹にいる子は、人間の姿で生まれ、そのあと竜気が溜まったら竜化できる。