しかもどうやら力づくで飛び出してきたらしい。首に鎖がついたままの子や、凄い子は柵を首に突っ込んだまま飛んできていた。


「いったい、これはなんなんだ?」
「リコ様! よくご無事で!」
「王宮の竜たちも大騒ぎしてたのですが、あの竜の群れはなんです? リコ様が呼んだのですか?」


 ようやく駆けつけてきた騎士団長と、リディアさん、そしてシリルさんが唖然とした顔で竜の群れを見ている。私が竜たちの言葉を通訳すると、シリルさんはうんざりした顔で竜王様を見た。


「各地に連絡をしないといけませんね。それにこの調子じゃ、国中の竜が集まってきそうです」


 シリルさんいわく、竜王様の『リコに何をした! もしやリコを殺そうとしたのではないだろうな!」という声が、竜たちに聞こえ、それが伝わったのだという。しかしそれを聞いても、竜王様は平然とした顔をして「けっこう集まったな」なんて言っている。


「私、説明してきますね!」


 地上に降りてきたカルルくんたちに犯人が捕まって私が無事だと伝えると、安心してくれたようだ。他の竜たちも『また会いましょうね』『俺のとこにも遊びに来いよ』と言って、帰って行った。