「リコ、競技会で竜のキールがおかしくなった後、おまえの血を舐めていなかったか?」
「あっ……! たしかに舐めていました」
「ふむ。では迷い人様の血に、竜たちが正気に戻る、何かが入っているのでしょうね」
「そういえばあの時も、竜たちが私の血が甘いとか、幸せな気持ちになれるって言ってました」
「ほう! それは、おもしろいですね!」
ルシアンさんの目の奥がキラリと光って、ちょっと怖い。何かスイッチが入ったようだ。
「でもキールくんは私の血を舐める前に、助けに来たと言っていました。だからその頃には葉っぱの効果が切れていたのかもしれません」
「なるほど。それなら少量の血なら、気持ちを鎮める効果があるといったところでしょう。竜王様が飲んでいるお茶みたいなものですね」
(リュディカのことか。少量の血なら、リラックス効果がある。じゃあ大量なら……)
そこまで考えて一人でゾッとしていると、ルシアンさんも似たようなことを考えていたようだ。



