竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜



「この竜が言うには、自分は喪に服しているらしいのですが……。どなたか最近亡くなった方は、いらっしゃるのですか?」


 全く予想していなかった質問に、領主はポカンと口を開けている。気持ちはわかる。私も意味がわからない。


「いいえ! カルルが会う人物は、誰も死んでおりません! そうだよな?」


 領主が竜舎の外にいる領民に同意を求めると、みんな大きくうなずいている。う〜ん、ますますわからない。私はもう一度カルルさんに聞いてみることにした。


「カルルさん、言いにくいかも知れませんが、どなたが死んだのですか?」
「……思い出すのもつらいが、この家で飼っている犬のシーラだ」


 人じゃなかった。私はすぐさま、さっき聞いた言葉を領主に伝える。