竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜



『……している』


 食事を取らない竜が、ようやく何かを話し始めた。しかしあまりにも弱々しい声なので、まったく聞き取れない。


「ごめんなさい。なんとおっしゃいました?」


 するとその竜はゆっくりと瞼を開け、私をじっと見つめてきた。その瞳は潤んでいて、とても淋しそうに見える。そしてなんとか私に聞こえるほどの声で、話し始めた。


『喪に服しているんだ』
「喪に服している?」


(竜が喪に服してる? 私の聞き間違いかな?)


 意味がわからず、竜にもう一度聞いても、同じ様に『喪に服している』と返ってくる。不思議に思いつつも、本人がそう言っているのだからと、私は領主に事情を聞くことにした。