竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜



「初めまして、リコといいます。カルルさんですよね。一月前からお食事をしなくなったと、聞いています。みんな心配していますよ? どうしてなのか、理由だけでも教えてもらえませんか?」


 しんと静まり返った竜舎に、私の話し声だけが響いている。しかしカルルという竜は私をチラリと見ただけで、何も話さない。


(もしかして、この竜とは話せないのかな? どうしよう、みんな期待してるのに。ううん。そんなことより、理由が聞けなかったら、この子餓死しちゃうんじゃ……!)


 私は諦めずに何度も、その竜に話しかけた。それでも竜は鳴き声すら出さず、しまいには私のほうを見なくなってしまった。


(どうしよう! 何も話してくれない!)


 領主も少し怪訝そうに私を見始め、子どもたちもヒソヒソと「ダメなのかな?」と話している。その時だった。