竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜



「この竜?」
「そう! 迷い人様! 助けてあげて!」
「何があったの?」
「それがわかんないの〜」


 子どもたちの話では、問題の手がかりすらもわからない。すると竜王様と一緒にやってきた領主が、何があったかを詳しく説明してくれた。


「迷い人様、こちらの竜なのですが、先月から何も食べなくなってしまったのです。日に日に元気がなくなっておりまして、皆心配しているところです」
「先月から?」
「はい、頑丈な竜といえど、一月も何も食べなかったら危険です。水は飲んでいるようですが、理由もわからず心配で心配で……」


 領主だけじゃない。子どもたちや外から覗いている領民たちも、皆この竜のことを心配している。私は問題の竜の名前を聞くと、そっと声をかけた。