竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜



 その可愛さに、見えていないだろうけど、思わず私も手を振り返してしまった。すると私たちの竜車は、揺れが起きないよう大きく旋回しながら、ゆっくり地上に降りていった。


「竜王様、迷い人様。このような田舎まで、よくお越しくださいました。粗末な館ではありますが、ぜひおくつろぎくださいませ」
「ああ、キークリー、久しいな。顔を上げてくれ」


 竜王様のその言葉に、領主だけでなくその場にいた全員が顔をあげた。するとすべての人の視線が私に注がれ、興味津々といった顔をしている。子どもなんて背後の建物と私を交互に見ては、何かヒソヒソと話していた。


 すると領民のその姿に、竜王様がクククと笑い始めてしまった。


「キークリー、どうやらお茶のもてなしより、竜の問題を先に片付けたほうが良さそうだな」
「お、お恥ずかしい……」


 領主は顔を真っ赤にして謝っていたが、竜王様は楽しそうだ。機嫌よく笑っては、領主の背中をポンと叩いた。