「それに競技会でギークが竜に食べさせた、例の甘い葉の一部が寮の部屋から見つかった。しかしそれがなんの植物かわからないから、調べてもらおうと思っている」
「それが、リディアさんが言ってた、竜王様の用事だったんですね!」
「そうだな」


「私の警備で一緒に来るんですか?」なんて、馬鹿みたいなことを質問してしまった。こんな重要な仕事があったなんて。


(また、からかわれてしまった……)


 私が眉間にしわを寄せ悔しがっていると、外から団長さんの声が聞こえてきた。


「竜王様、キークリー領主の館に到着いたします」
「さあ、着いたぞ。一つ目の仕事だ」
「緊張してきた……」
『ぼくは、ワクワクする!』


 窓から下を見てみると、私たちを大勢の人が出迎えてくれていた。小さい子どもたちも、一生懸命手を振っている。