竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜


(いいな〜私も竜に乗ってみたい。それに私だけの相棒の竜がいたら楽しそう……)


 私にプロポーズしてきたキールくんだって、今はもう相棒のゲイリーさんをからかうのに夢中で、こっちに帰ってこない。そんな様子を見ていると、せっかく異世界で竜がいるんだから私にも……と思ってしまうのだが、そこまで考えて、ハッとある事を思い出した。


(そうだ! ドタバタして忘れてたけど、お腹にいる竜王の卵君はどうしてるんだろう?)


 空中から落ちる寸前までは、声を出していた。しかし目覚めてからというもの、声はおろか、お腹をポコポコと叩く感触すらない。


(一人になって話しかけてみなきゃ!)


 今さらだけど、あの時必死になって私を呼んでいた声を思い出して苦しくなってくる。私はあわてて竜王様のもとに行き、部屋に帰らせてもらえるよう頼んだ。