「いいかげんにしないか! 団長も騎士たちも、気持ちを切り替えろ! 冷静な心でいないと、また問題が起こるぞ!」


 そう言うと竜王様のあたりから、ビュウと強い風が吹いた。するとその風を浴びるように、キールくんが飛び上がり、嬉しそうに口を開けている。


『わあ〜竜王様、すっごい威圧! 気持ちいいなぁ〜』
『キール! みんな真剣なんだから、黙ってろって!』


 どうやらこの二頭、ちょっとヤンチャなキールくんと、お世話係のヒューゴくんということらしい。しかし二人のそのワチャワチャと絡む様子に、騎士さんたちも普段の気持ちを取り戻したようだ。


 すると空中をクルクル飛び回りながら、キールくんが私に話しかけてきた。


『ねえ、ねえ、それで君の能力を認めさせるのは、しなくていいの?』
「う〜ん、そうね。みんな信じてくれてるなら、わざわざ秘密を暴露しなくても良さそうな……」


 すると私の言葉を聞いて、話の内容がわかったのだろう。シリルさんがあわてて止めにはいった。