竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜



「あいつら二頭は何をしているんだ?」
「騎士が振り落とされていますね」


 よくよく見てみると、異様な行動をしているのは一頭だけだ。もう一頭はその竜を必死に止めようとして傷だらけになっている。しかし牙をむき出しにし、よだれをダラダラと垂らしながら次の獲物を探す竜を止めることはできないようで、とうとう騎士の一人が噛まれてしまった。


「行くか!」
「はい、こちらから行きましょう」


 競技場全体がこの騒ぎに気づき、混乱してしまっている。あれはもう騎士団長では手に負えないだろう。そう判断した俺が競技場裏の控えの場に降りると、ちょうど報告に来た団長と鉢合わせた。


「竜王様! どうやら一頭の竜に薬が盛られたようです」
「なに! 薬か。厄介だな」