竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜



 競技場で開始の挨拶を終え、用意された椅子に座ると、目の前に「リュディカ」が出てきた。


「竜王様、お茶です」
「……最近多くないか?」
「当たり前ですよ。リコが来てからというもの、興奮しっぱなしじゃないですか」


 俺の名前がついた「リュディカ」というお茶は、鎮静作用があるものだ。特に俺にはてきめんに効果があるもので、欲望を抑えることができる。それにしても多すぎる。今日で四杯目じゃないか!


「そんなに興奮はしてないだろう」
「……夜にこっそり、リコの部屋に行ったのは存じております!」
「なっ! 何もやましいことはしていないぞ!」
「わかっております。リコはそんな人ではありませんから」
「俺を信用をするのが、補佐であるおまえの務めだと思うのだが?」


 主人は俺だと言わんばかりに抗議をするが、当のシリルはフンと鼻を鳴らして気にもとめていない。