竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜


 あわてて手すりにつかまるけど、その手すりさえも風でガタガタと震えている。周囲も騒がしくなり、会場全体が混乱状態だ。下からはさっきよりも大きな竜の叫び声が聞こえ、怖がる人もでてきた。


(何を言っているのかわからないな。やみくもに叫んでるだけみたい)


 試合をしていた竜たちは暴れておかしくなっている二頭を残して、競技場から出て行っていた。残った竜を騎士が鎖で引っ張っているけど、首をブンブン振って今にも逃げ出しそうだ。


(これは本当におかしいかも……)


 あきらかにさっきまでの竜と様子が違う。牙をむき出しにして暴れ狂う様は、竜気に耐性があってもゾッと寒気が走った。するとお腹がブルブルと震え、おびえるような声が聞こえてくる。