竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜



 ダメだ。卵くんに教える感じで、話すの難しいよ。簡単な言葉を使おうと意識すると、棒読みになっちゃうし。それでも時々「小さい竜が早いわ」や「大きい竜が一頭倒したのね」と呟くと、ものすごく喜んでいた。ひとり言が大きい人だと思われそうだけど、しょうがない。


 試合も半ばとなり、半数の竜が負けて出て行き、場内に緊張感が高まってきた。戦っている数が少なくなると、それだけ一体一体の様子がよく見えてくる。


(あれ? なんだかあの二頭、変な動きしてる……)


 私が見つけた竜たちは、ギャウギャウと意味のない叫び声をあげ、手当り次第噛みついている。しかも興奮気味に前足を上げ、騎士を振り落とそうとしたり、急に飛び立ってはグルグルと低空飛行をし始めた。