(せめて私に、何かこの国に役立つ能力があったら良かったのに……)
そうすれば、少しはあなたを守る自信ができる。私はそんな叶えられそうにない願いを胸に眠りについた。
朝起きると、すぐにリディアさんが部屋にやってきて、私の身支度を手伝ってくれた。今日は侍女姿ではなく、ドレスで参加するらしい。そんな贅沢していいのかなと首をかしげる私と違って、リディアさんは妙に気合いが入っていた。
「宝石は着けられないので、髪を複雑に編みましょう」
「装飾はシンプルですが、護符の刺繍が素晴らしいドレスを用意しました」
誤解を解いたとはいっても、昨日の今日だ。全員には伝わってないかもしれない。そう思うと質素にいきたいのだけど……。
「こんな素敵なドレス、妾になったという噂がまた出ないでしょうか?」



