だってもし自分の国の王様が、何もできないおどおどした女性をお妃様にしたら、国民はどう思うの? いつも誰かに頼らなくてはいけなくて、字も読めない。それだけじゃなく、貴婦人としてのマナーもない。なんの能力もない平民育ちが妻に決まりましたと言われても、竜王様だって困るだろう。
子供が生まれても、そうだ。私はそれでも自分のことだからいい。このお腹にいる子は、親の私のせいで竜王と認められないかもしれない。そう思うと、私は強い意思で、お腹に向かって説得を始めた。
今までのこと、私の立場、すべてを竜王の卵に向かって話した。まだ子供だからわからないし、難しいことかもしれない。それでもこの国の未来や、この子の将来を思えば、私ではダメだ。
「……わかってくれる?」
自分が思っていることを全て伝え終わり、そう話しかけると、今まで黙っていた竜王の卵は、拗ねた口調でぼそっと呟いた。



