恐る恐る、店の人に値段を聞くと、ゼロがひとつ多いのではないかと思うほど高い。

その場で買うことは無理だったので、また来ますとだけ告げて店を出た。

自宅に戻り、これまでのお年玉などあらゆる貯金を見ると、買えないこともない。

動物だって、求愛行動でプレゼントするのなら、人間がして何がおかしい?

翌日、僕は貯金を下ろして、再度ブティックへ向かい、迷うことなく、気になっていたワンピースを買った。

そして今度は、受験勉強の息抜きをしようという口実で、青山を呼び出すことに。

プレゼントと共に、今度は僕から告白する…そう決めたのだ。