自分でも、何故か判らないが、彼女を呼び止めた。

「なに?」

「久しぶりに会えたんだし…よかったら、連絡先交換しないか?」

そんな身勝手な提案をしてしまったのだが、

「いいよ」

カラッとした口調で言われ、とりあえず安堵する。

かつて、彼女の連絡先なら登録してあった。

別れてすぐに消去したが、それはやはり青山も同じのようだ。

当然だろう。

あの頃、非情な僕は、彼女を疎ましく思い、冷たく別れを告げたのだから。

僕は、幼すぎた中学時代に思いを馳せる…。