僕は辟易して、

「それは、好きか嫌いかの二択で迫られたからだよ。確かに、オマエのこと嫌いではなかったから。だけど、今の俺には、彼女なんかより大事にしたいことが色々あんだよ。オマエもさ、青春イコール恋愛、みたいな発想、やめたほうがいいんじゃね?つまんないよ、そんな女って。この際だからハッキリ言わせてもらう。もう付き合いきれない」

勢いでそう告げると、僕は、さっさと教室に戻った。

公衆の面前で彼女に恥をかかせたという感覚すらなくて、本当に子供過ぎたと今なら思える。

気まずくなるのが嫌で付き合い始めたのに、これでは何の意味があるだろう。

僕が罪悪感に苛まれることになるのは、この後のことだった。