自分のドレスを見下ろした。

 所持する数少ないドレスの中でも一番マシなものにした。

 そんなどうでもいいことをかんがえている内に、アデルモがおざなりに名乗った。

 だけど、竜帝は無言である。ただ、そこに佇立している。

「そちらも道中を急ぐだろうから、さっさと終わらせよう」

 アデルモは、いかにも迷惑そうに切り出した。

「さっさと終わらせよう」って、どういう意味?

 なにか用事があるとすれば、あなたじゃなく竜帝の方じゃないの?

 なに様って感じよね。