昼食後、やっとテラスから景色を眺める余裕が出来た。

 手すりに肘をつき、森を眺めた。向こうの方に木々が広がっている。広大な森に違いない。

 小鳥たちが、羽ばたいたり囀ったりしている。

 どこにでもある森だけど、なぜか見ていて飽きない。

 そのとき、ルーポのことを思い出した。

 そうだわ。様子を見に行かなきゃ。

 彼はわたしよりずっと賢くて適応力があるから、厩舎の人たちに迷惑をかけてはいないでしょう。だけど、環境がガラッとかわってしまったから戸惑っているかもしれない。

 そのとき、扉がノックされた。

 フィオレかと思ったので、どうぞと返答した。

 扉が開き、だれかが入ってきた。