李音「……とりあえず、ま〜ちゃんに話あるから、休み時間に話しかけるね」

真優「えっ……?は、はい……?」
(話……?嫌な予感しかしないんだけど……)


にっと微笑んだ李音は、せめてクラスメイトがいる前では優等生を演じまいと、と考えていた。




○学校・屋上

お昼休みを迎えて、真優は屋上に訪れていた。

本来ならば友達と過ごすお昼休みだが、李音の人気が凄まじいのもあって、とにかく逃げたくて一人で屋上に来たのだった。


真優(あの綾瀬って人、本当なんなんだろう?からかうなら、クラスで美人って有名なあの子にすればいいのに)


また厄介ごとが増えそうだ、とはぁとため息をつく真優の後ろから、誰かが歩いてくる。


李音「ま〜ちゃん、こんなところにいたんだ。だめだよ、僕との約束に逃げるだなんて」

真優「あ、綾瀬さんっ……!?」

李音「綾瀬じゃなくて、李音くんでしょ?」

真優「えっ?り、李音……くん……?」

李音「そうだよ、李音くん」


ポンッと頭を撫でられる。李音は満足げな表情をしていた。


李音「ま〜ちゃん、僕たち今日から同居するんだよ」

真優「へっ……?ど、同居……!?」
(いやいやどう言うこと……!?)


初対面なのにそんなことを言ってくる李音にいい加減嫌気がさす。

どんどん悪寒がしてきて、どうにか苦笑いでその場を流し逃げた真優だったが。


○真優の自宅にて


李音「あ、ま〜ちゃんおかえり♡」

なんと、自分の家に李音がいたのだった。

まるで当たり前のように。そして、そんな李音がいる中母親も李音がいて当然なんて雰囲気を出していた。