『もちろん、ご一緒させてください。他の奴らはダメですよね。どうせ大きくなったら父親なんて嫌われるのに、必死に媚を売って』

すぐに送って文章に既読がつき、部長から集合時間などが送られてくる。それをチラチラと見ながら、日曜日に裕也は胸を弾ませる。気が付けば家の前だった。

「ただいま」

リビングに入ると、ちょうど亜子が真奈の話を聞きながら出来上がったばかりの豚肉の生姜焼きをテーブルに運んでいるところだった。

「……」

テーブルの上には出来立ての夕食が並べられていく。裕也が亜子に頼んだのだ。自分が帰って来たら夕食ができているようにしてほしいと。

だが、洗濯物はまだハンガーに干したまま吊るされており、部屋は真奈が片付けを忘れたのかおもちゃがあちこちに落ちている。

「ねえ、洗濯物吊るしっぱなしだよ。真奈のおもちゃも落ちてるし」

裕也がそう言いながら足元に落ちているクマのぬいぐるみを拾うと、「それ真奈の!」と言いながら真奈が走ってくる。そして、裕也を少し睨んだような顔を見せながらぬいぐるみを取った。