ザキエルが気絶した後、彼と同じくミシェルを探しにきていた側近のヒューバートが現れ、ザキエルとミシェルを村まで運んでくれた。

 目が覚めたザキエルは、「俺の妻は生涯ミシェルだけだ!」と叫び、ミシェルを泣かせた。後で、その場で見ていたヒューバートと村長一家にかなり(はやし)し立てられた。ザキエルは色々と失敗したと反省した。場所は選ぶべきだった。


「そういえば、マイクはよかったのか」
「マイクさん? ニーナさんの恋人の?」

 なんと、初対面の日から5日後に、マイクとニーナはお付き合いを始めたらしい。ミシェルとの恋人疑惑でニーナに避けられたマイクが、慌ててニーナに告白したのだとか。

「君は……マイクが好きだったんじゃないのか……」
「わたしが好きなのは、マイクしゃんやなかです」

 頰を膨らませて不満そうにするミシェル。ザキエルはその様子がこれ以上なく嬉しい。
 彼女をそっと抱きしめると、ミシェルは「だめばい、離して」と恥ずかしそうに抵抗したが、ザキエルは「誰が好きなのか教えてくれたら離す」と囁き、5分程の熱く熾烈な戦いの後、愛しい彼女に自分の名前を言わせきった。ザキエルは幸せの絶頂だった。ミシェルは恥ずかしさの頂点だった。