⚪自宅·真理の部屋(朝)

体内時計を頼りに,パチッと目を覚ます真理。

(…朝? なんか,重たい…)

真理が自分の腰に回った腕に気がつく。

首もとにすり寄る凪。



「…ん…」



甘い男の声と,くすぐったい髪の毛の感触に,真理が身をよじる

(ま……さか)

真理が冷や汗を垂らし,顔だけを後ろに回す。

あり得ないくらい近い位置に凪の顔。

目を見開いて数秒硬直する真理。

真理が目をつぶり



「っきゃゃゃゃぁあ!」



細いけれど近所迷惑だと怒られるに足る悲鳴を,全力で上げる。