これ以上入って来ないようにと言われた気がした。  

あんなに優しかったのに、一歩踏み入れようとした瞬間一気に曇りを見せ拒絶された。


私の想いは5年経っても独りよがりだった。


「………。」

ギシギシと軋む公園のブランコ、漕いでもないのに音がする。

遠くでは子供たちがハシャいでる。

なのに不思議と私の耳には入って来なくて、何も聞こえなくて空しかった。

後先考えない性格が嫌になる。

何も羽織らないで飛び出して来ちゃったから寒くてしょうがないし。

寒くて…
そんな寒さ、今はどーでもいいけど。


好きだから、会いに来たんだと思ってた。


5年の間で何か変わってるかもしれないって期待してた。



でも何年経ってもきっと変わらないんだ。 



私が伊織先輩を好きな気持ちが変わらないように、伊織先輩が小西先輩を好きな気持ちも変わらない。


2人がどうして別れたのか知らないけど、好きって気持ちが簡単じゃないことは誰より私がわかってる。

時空を超えるぐらい好きな気持ちでいっぱいたっだ私だから。

「…バカみたい」

ほんと何してんだろ。

なんでこんなことしちゃってるんだろ。

もう涙も出ないよ、呆れすぎて。

未来に来た理由はバカな私に気付かせるためだね。

そんなことしても意味ないよって、言うだけじゃわからない私に神様も呆れたんだよ。

「帰ろうかな…」

私の世界に、過去の世界に。

もう私に出来る事なんてない。