あってよかった、焼き菓子工房!!!
さすが人気店、5年ぐらいじゃ潰れたりしないか!
「あ、ここ名前は知ってる」
「伊織先輩も知ってました?」
「うん、名前だけね。入ったことはないけど」
「ここおいしいんですよ!私ここのティラミスフィナンシェが大好きで…」
なかった。
2週間ぐらい前に食べたはずなのに。
やっと伊織先輩と一緒に食べれると思ったのに。
噓でしょ…
「ティラミスフィナンシェ?ってどれ?」
「あ、もうなくなっちゃったみたいです!昔はあったんですけどね!」
「昔?」
余計な事を言って不審がられる前にすぐ別のものを指さした。
よく来るみたいなニュアンスで言ったのに、商品がなくなったことを知らないなんておかしいもん。
「クッキーとかどうです?スコーンもいいと思います、紅茶と一緒ならパッサパサやつが私は好きですね!」
「パッサパサ?そうゆうのがいいの?」
ティラミスフィナンシェはなくなっていたけど、他のものは多く残っていて小麦の甘い香りもいつもと同じだった。
その香りにつられて私の方が欲しくなった。
「はい!とにかくパッサパサなお菓子を紅茶で流し込むのがいいんです!」
「へぇー…そうゆうものなんだ」
「伊織先輩はどんなのが好きなんですか?」
「んー、僕は紅茶は紅茶だけで楽しむ派だからなー」
お菓子を買うとは思えない表情の伊織先輩がいつもは見せない眉間にしわを寄せた状態でバタークッキーの缶を手に取った。
そんな真剣な顔で見られてバタークッキーもきっと驚いてる。
そんな姿に私はまた顔が緩んだ。
「それ絶対おいしいと思います!」
「そう?じゃあこれにしようかな」
そう言ってバタークッキーの缶を持ってレジに向かった。
いいな、バタークッキー…
伊織先輩に連れ去られてるみたいで。
「………。」
チラッと並べられたクッキー缶を見る。
クッキー缶は花に負けないぐらい高い。
悔しい…っ
無一文女子高生悔しい…!
私も伊織先輩とおんなじクッキー買いたかった!
少し視線を変えれば、そのクッキー缶に入ったバタークッキーが個包装で売られていた。
1枚80円、私の全財産80円。
これで全財産失ったとしても悔いはない。
うん、と頷いてバタークッキーを手にした。
さすが人気店、5年ぐらいじゃ潰れたりしないか!
「あ、ここ名前は知ってる」
「伊織先輩も知ってました?」
「うん、名前だけね。入ったことはないけど」
「ここおいしいんですよ!私ここのティラミスフィナンシェが大好きで…」
なかった。
2週間ぐらい前に食べたはずなのに。
やっと伊織先輩と一緒に食べれると思ったのに。
噓でしょ…
「ティラミスフィナンシェ?ってどれ?」
「あ、もうなくなっちゃったみたいです!昔はあったんですけどね!」
「昔?」
余計な事を言って不審がられる前にすぐ別のものを指さした。
よく来るみたいなニュアンスで言ったのに、商品がなくなったことを知らないなんておかしいもん。
「クッキーとかどうです?スコーンもいいと思います、紅茶と一緒ならパッサパサやつが私は好きですね!」
「パッサパサ?そうゆうのがいいの?」
ティラミスフィナンシェはなくなっていたけど、他のものは多く残っていて小麦の甘い香りもいつもと同じだった。
その香りにつられて私の方が欲しくなった。
「はい!とにかくパッサパサなお菓子を紅茶で流し込むのがいいんです!」
「へぇー…そうゆうものなんだ」
「伊織先輩はどんなのが好きなんですか?」
「んー、僕は紅茶は紅茶だけで楽しむ派だからなー」
お菓子を買うとは思えない表情の伊織先輩がいつもは見せない眉間にしわを寄せた状態でバタークッキーの缶を手に取った。
そんな真剣な顔で見られてバタークッキーもきっと驚いてる。
そんな姿に私はまた顔が緩んだ。
「それ絶対おいしいと思います!」
「そう?じゃあこれにしようかな」
そう言ってバタークッキーの缶を持ってレジに向かった。
いいな、バタークッキー…
伊織先輩に連れ去られてるみたいで。
「………。」
チラッと並べられたクッキー缶を見る。
クッキー缶は花に負けないぐらい高い。
悔しい…っ
無一文女子高生悔しい…!
私も伊織先輩とおんなじクッキー買いたかった!
少し視線を変えれば、そのクッキー缶に入ったバタークッキーが個包装で売られていた。
1枚80円、私の全財産80円。
これで全財産失ったとしても悔いはない。
うん、と頷いてバタークッキーを手にした。



