伊織先輩の連絡先が私のスマホに登録された。


伊織先輩の連絡先が…!


何度も画面を見てしまう。
神代伊織の文字にわかりやすく心が躍る。

「ねぇ山田見て!今日すっごい上手にオムライス出来た!!」

「…おぅ」

「なんでそんなテンション低いの!?こんな上手に出来る日二度と来ないかもしれないのに!」

「俺は確かにオムライスが好きだ、なんだったら1番好きな食べ物だ」

はぁっと強めに息を吐いた。
次の瞬間、溜まったうっぷんが一気に吐き出された。

「だからって毎日オムライスばっか飽きるわ!」

「だってこれしか作れないんだもん!」

あとはがんばってチャーハン。
基本ご飯を炒めることしか出来ない私の料理。

「…わかった」

申し訳ない気持ちはずっとあった。
 
でもないよりはいいかなって、慣れない料理をしてた。

山田が限界を感じるのもわかるんだ。

だからこうしよう。

あとはこれしかないよね。

「カレーをかけよう!レトルトカレーは神!」

「それいいな!」

オムライスからオムカレーライスに生まれ変わった。

それはおいしくて、山田がおかわりが欲しいって言っていた。


その夜、伊織先輩に思い切って送ったLINEの返事が思ったより早く返って来た。

それにまた顔が緩んじゃって、早く会いたいなって眠れなかった。