特にすることもなく数日が過ぎた。

何をしたらいのかわからず、ただなんとなく過ぎていく日々に焦燥感を持ちながらも出来ることが見付からなくて。

ただこうして散歩する毎日。

毎日女子高生が徘徊してるって噂になったらどうしよう…なんてことを思いながら。

「やみくもに歩くのも暇…」

未来の私に早く帰ってって言われたけど、帰り方がわからないし。

帰り方だけでも聞いておけばよかったかなー…、でも聞けるような感じじゃなかったもんなぁ。

“絶対に伊織先輩には会わないで!”

なんでそう言ったのかはわからないけど、未来の私からすぐに伊織先輩の名前が出たことに確信したことがある。


きっと今も私にとって伊織先輩は大切な人。


これは私だからそう思えること。


じゃあ何で山田と付き合ってるのかは甚だ謎だけど。
モブ山田のはずなのに、なんで彼氏に昇格してんの…

「…その彼女私だけど」

ハハッと1人で笑って虚しくなった。

何してんだ私、何もすることがないんだ私。

オマケに山田が貸してくれた服はハチャメチャに大きい。意図知れず彼シャツならぬ、彼パーカーになってる。

貸してもらっていたあいつこと未来の私の服もいくつか山田の家にはあって、よく泊まりに来てるんだなって思うと無性に嫌になった。

だけど山田のスボンは大き過ぎて履けないし、バレたら怒られそうだなって思いながらもこっそり履いていた。私のなんだしいいいよね。