なぜか推しが追ってくる。





恭くんは苦笑いしながら言う。


それに対してわたしは、無言の笑みで拒否の意を示した。

これはお気に入りの画像の一つだからね!


そして諦めたように目を逸らしたのは恭くんだった。勝った。




「というかさ、さっきみたいなのってよくあるの?」


「え?」


「……あんな風に呼び出されて告白されること」




ああ……。

聞かれて、わたしは苦いものでも噛んだような気分になった。


うん……まあ……。




「高校生になってからは……これで五回目ぐらいかな」


「え、そんなに。やっぱりモテるのか……」


「いやそれが。ほとんど話したこともない人にばっか告白されて、しかもちょっとしゃべると返事する前に逃げられるんだよね。さっきみたいな感じで」




全五回プラス中学時代、全て同じパターンを繰り返した。こっちは再放送番組を見ているような気分だった。

真緒と数馬には、「見た目で幻想を抱いた人たちが寄ってくる。その人たち勇気出して告白したのに夢を壊されて可哀想」とか言われたな。わたしが悪いみたいじゃないか失礼な。