なぜか推しが追ってくる。




恭くんは急遽出場することになったわけだけど、何をするのだろう。

そう思って見ていると、恭くんは何やら後ろに控えていた実行委員数人に耳打ちした。



「?」



何が起こるのだろうと見ているわたしの方へ、なぜかその実行委員たちが近づいてくる。



「武藤さん、天羽さんからご指名です」


「え、え?」



実行委員たちに両腕をがっちりホールドされて、戸惑うわたしはあれよあれよという間にステージ上へ連れていかれてしまった。

そして、女装恭くん(恭子ちゃん)と至近距離で向き合わされる。美しすぎてやばい。鼻血出そう。



「瑞紀ちゃん、俺の肩に手回して」



恭くんは小声でわたしに言った。

わけがわからず言われるがままにする。と──


ふわっと、足から地面が離れる感覚がした。



「ぎゃああ~~~~!!!」



同時に会場のあちらこちらから巻き起こる悲鳴。


──わたしは、恭くんにお姫様抱っこをされていた。

役作りのためそこそこ鍛えている恭くんだから、わたしを持ち上げられる力があることに驚きはないものの。

現在彼は「女子より女子!」な美少女姿なわけで。