なぜか推しが追ってくる。





原さんが隠れていた部屋から出て行ったのを確認した後、わたしは恭くんたちのところへは行かずに客席へと向かった。


原さんは、たぶん大丈夫だ。

戻ってすぐは当然スタッフたちに怒られたりもしただろうけど、今頃ちゃんとスタンバイしているはず。




「早く始まらないかな!」


「ね~! 麗華ちゃん見るの楽しみ!」


「麗華ちゃんの演技、全然想像つかないよね」


「女優もできるとかマルチすぎる~すごすぎ~」


「てか麗華ちゃんの相手役、めちゃくちゃカッコ良くない? 誰? 天羽恭……あー、聞いたことあるような無いような」




周囲から聞こえてくる、開演を心待ちにする声。


恭くんに興味を持っているっぽい声を聞いたときは、思わずその人のところまで行ってたっぷり魅力を語りたい衝動に駆られた。

さすがに抑えましたけどね! 通報されて強制退場させられるのは絶対に嫌だ。




──そんなこんなで、ようやく幕が開いた。