「千陽ちゃん……」

「僕さ、吃音って知ってるよ。言葉を上手く発せないやつだよね。頑張って言ったの偉いよ」

「吃音、か。そっか、辛いよね! 千陽すごいよっ」

沙和ちゃんがばっと抱きついてきたので私はバランスを崩してしまった。

そのまま肩を掴み、グラグラ揺さぶってくる。

「千陽〜」

な、何この人たち⁉︎

なんか呑み込み早くない⁉︎

てか受け入れてくれたの⁉︎

沙和ちゃんにもう呼び捨てされてるんですけど⁉︎

なんかもう、意味分かんない……。

みんな忙しすぎ……。

「何かあったら私を頼ってね? いつでも快く待ってるから!」

「あああ、ありが、と……」

「で、千陽はもう済ませた? 同居相手」

いやいや、まだですよ。

今からしようとしてたんですけど、お隣さんがやってくるものですからそれが遮られましてですね。

「吃音、分かってくれる人だといいね」

私はこくこく頷く。

ホントにホントにホントにホントに。

もうそう願うばかりですから!