「なんで澄晴と話してたの?」

私が鼻歌を歌いながら呑気に料理を始めようとした時、思わぬ質問が降ってきたのだった。

「ななななんでって……りり、理由なな、なんてな、ないけ、け、けど」

「は?」

「え?」

いやいや、澄晴くんと話すだけに理由なんている?

というか今更何を。

「そっか。俺のことやっぱ嫌い?」

「え?」

どうしてそうなるんですか?
意味が理解できませんけど。

「澄晴が好きなの?」

え……。

どうしてそうなるの?

「澄晴が好きだから帰りは澄晴と話してたんだね」

は?

そんなの訳わかんない。

それじゃあ翠くんだって、沙和ちゃんと喋ってたじゃん。

翠くんは、沙和ちゃんが好きなの?

そういうこと?

そうだね、元々私のこと嫌いだったし無理はないよね。

ただの私の勘違いだっただけで、両思いとかそんなの嘘だったのかも。

翠くんは私が可哀想だったから気を使ってただけかもしれない。