「はい。
でも、中さんそれでいいのですか?
照さんや千里さんと遊んだりしないのですか?」


「たまにアイツらともそうだが、仕事関係で飲みに行ったりとかはあると思う。
それは、たまにで。
飲みに行ってもお前が居るから、早めに帰る。
だから、ここの鍵も渡しておく」


「え、合鍵ってことですか?」


「ああ。だから、いつでもくればいい。
来るのにいちいちLINEで連絡して来なくていい」


「はい」


なんだか、付き合ってからの方が中さんとLINEする事がなさそうだな。
会う連絡もしなくていいのもそうだけど、LINEとかしなくていいくらい一緒に居られそうだから。


「修司さんの店にはもう行かない」


「え、修司さんのお店…」


なんで修司さんのお店には行かないのか、と思ったけど。
真湖さんと偶然会うかもしれないからか。


「別に、修司さんのお店に行ってもいいですよ?
もし、真湖さんと偶然会ってしまってもそれは…」


それは、中さんを信じる。


「なら、もし行くならお前と一緒だ。
お前が横に居たら、大丈夫だから」


「はい…」


中さんは、まだ完全に真湖さんを吹っ切れたわけではない。
私の居ない所で真湖さんに会ったら、自分の気持ちが揺れてしまうんじゃないかと不安なのだろう。


中さんなりに、私に誠実でいようとしてくれている。


「そういえば、私も仲良しな幼馴染みの男の子が居て…。
それを中さんに認めて貰いたくて」



"――中がどう言うか知らねえが、大半がそうやって自分の女に親しい男が居たら気に入らねえ――"


以前、千里さんがそう言っていて、もし中さんと付き合えたら、ちゃんとそれを認めて貰わないといけない。