翌朝、昨夜のことがなにもなかったかのようにウオーレンとふつうに朝食をとった。

 今朝は、会わせたい人がいるという。

 朝食の後片付けをしながら、ふと疑問に思っていることを尋ねてみたくなった。

 その疑問とは、よくわたしの言うことを信じることが出来たなということ。

 というよりかは、わたし自身を信じることが出来たわね。

 もしかしたら、わたしは宰相と本気で手を組んでいたかもしれなかったのに。それなのに、彼は信じてくれた。

 それとは別に、ウオーレンは宰相が彼の暗殺をわたしに持ちかけてきたということも疑問に思わなかったのかしらね。

 ウオーレンは、なんの疑いもなく信じたのである。

 ああ、そうそう。ウオーレンには宰相とのことは包み隠さず話をしたけれど、わたし自身のことは話をしていない。