「ありがとう。でも、レジャーシートがなかったらどうしてたの?」
私を地べたに座らせるつもりはなかったと話す怜央。
けれど、このシートは屋上にあったものではじめから用意されていたわけではない。
「俺の膝の上が空いてるだろ」
膝の……上……?
それって私が怜央の膝の上に座るってこと?
「………………」
頭の中にうっすらと浮かんだイメージはすぐさまかき消した。
そして、心の底から思った。
レジャーシートがあってよかったと。
どこの誰だかわからないけど、置いててくれてありがとう。
私は危うく、親友の前で膝に座らされるという羞恥プレイを味わうところだった。
「色々と話さなきゃいけねぇことがあるから、とりあえず座れよ」
「あ、うん」
敷かれたレジャーシートに感謝をしながら、その場に腰を下ろす。
「言われた通り新那も連れてきたよ」
「こ、こんにちは」
新那はか細い声で挨拶をすると、レジャーシートの横で小さくしゃがみこんだ。



