「確かに怜央は暴走族の総長だけど、きっと皆がイメージしてるような人じゃないよ。意外と優しいし……」
「え〜それはないでしょ。優しいところなんて想像できない」
「そうそう、あの目は絶対何人か殺ってるって。優しいのは瑠佳ちゃんの前でだけじゃない?」
怜央の優しい一面を知って、皆が持つ悪いイメージを少しでも払拭したい。そう思ったけれど、どうやら私の一言だけでは難しいようだ。
私も彼と直接関わる前だったら信じられなかったと思う。
あの冷たい瞳が私を心配して揺れるのも、思い出話をしながら微笑む姿も。雇われ姫にならなければ、知らないままだった。
いつか皆にも総長の蓮見怜央ではなく、同級生の蓮見怜央を見てもらいたい。
たった数日一緒にいただけなのに、私の中で怜央はもう誤解されたくない大切な人になっていた。
「ねぇ、ねぇ、それより蓮見くんとのデートってどんなところへ行くの?」
「…………えっ?」
私と怜央の関係を知るために始まった尋問にはまだ続きがあったようで、新たな質問が飛んでくる。



