「番長じゃなくて、総長ね。大丈夫、いい人だよ。今日も遅いからって家まで送ってくれたし」
「へー」
「あ、そうだこれお小遣い」
私は鞄から茶封筒を取り出すと、その中から3,000円をテーブルの上へと置いた。
別れ際、怜央に渡された2日分の給料(7時間✕1,200円=8,400円)の一部だ。
「お小遣いならもうもらったけど?」
「今月はサービス」
「いいって。姉ちゃんが使えよ」
志貴はテーブルに食器を運ぶものの、そこに置いてあるお金を受け取ろうとはしない。
逆の立場になり考えると受け取りづらい気持ちもわかるが、私は志貴がいるから毎日頑張れているのだ。
だから、これは決して一人で稼いだお金ではない。
「いいの、これは志貴に渡す分って決めてたから。今、必要ないなら貯めておいて今度使えば?」
「……わかった。じゃあ、貯金しとく。ありがとう」
「ん、じゃあご飯の前に着替えてくるね」
志貴がお金を受け取ったのを確認した後、私は自分の部屋へと向かった。



