「あ、もしかして好きなのありませんか?それならコンビニに行って買ってきますよ!」
「だ、大丈夫!りんごジュースでお願いします」
冬馬くんが買い出しへ行くのを阻止するために、ラインナップの中からりんごジュースを選ぶ。
「了解です。今、用意します」
「ありがとうございます」
姫という立場は発言に気をつけなければならない。
私の返答次第でコンビニに走っていたかもしれない冬馬くんの背中を見ながらそう思う。
「お待たせしました」
運ばれてきたりんごジュースを受け取り、彼にもう一度お礼の言葉を口にした後、ソファへと腰を下ろす。
目の前は柵になっていて、隙間からは怜央たちの様子が覗えた。
もう会合とやらは始まったのだろう。
皆、真剣な表情をして怜央の話を聞いている。
「そういや自己紹介がまだでしたね。俺、冬馬っていいます。瑠佳さんは怜央さんと同級生ですか?俺は高1っす」
元々、人懐こいのか。それとも怜央に頼まれたからなのか、冬馬くんはにこにことしながら話を始めた。



