【完全版】雇われ姫は、総長様の手によって甘やかされる。



「この話については以上だ。今から会合を始める」

会合……?

冬馬(とうま)

怜央が名前を呼ぶと、一列目に並んでいた茶髪の男の子が元気よく「はい!」と返事をして、一歩前へと出る。


「瑠佳、話が終わったら家まで送る。それまで冬馬と2階にいろ」


どうやら会合に私は必要ないらしい。


「わかった」

そう返事をすると、冬馬と呼ばれていた男の子は私の元に駆け寄り「瑠佳さん、行きましょう」と奥にあった階段を指差した。

「あっ……はい」

一段上るごとにカンカンと音を鳴らす鉄製の階段。

それを上り終えた先には、丸いローテーブルに白い革のソファ、冷蔵庫などの家具が並んでいた。

「あ、どうぞ座って下さい。飲み物は何にしますか?今はえーっと、」

そう言いながら置いてあった冷蔵庫の中を確認する冬馬くん。

「コーラとりんごジュース、それからミルクティーがあります!」

「あの、そんなに気を遣わないで下さい……」

「何言ってるんですか。瑠佳さんは怜央さんの姫なんですよ?」


だから、もてなすのは当然とでも言いたいのだろうか。

すごいのはこのチームをまとめる怜央であって、別に私は何者でもないのに。