【完全版】雇われ姫は、総長様の手によって甘やかされる。



私は姫をお金をもらって就いている役職だと思っている。

姫=私というよりも、姫=役職。

どれだけ特別に扱われても、それは私が姫という立場だから。

それとは違って、惚れた女と表現されると脳が勝手に私自身を=で結びつけてしまう。

けれど、実際はこうだ。

惚れた女=姫=役職。

この式の中に私はいない。

もっと言うと本来なら、
惚れた女=姫=櫻子さんが正しい式なのだろう。

始めから私は蚊帳の外。
そう結論づけると、動揺していた心が次第に落ち着きはじめた。


「総長が惚れた女ってことは、姫でいいんだよね?」

さっきのアッシュグレーの頭の人が怜央に確認を取る。


「ああ。姫が狙われやすいのはお前らもよく知ってるだろう。そこでお前らに頼みがある。もし、何か不穏な動きを感じたらすぐに報告しろ」


「「おっす!!」」


「瑠佳を護るために力を貸してくれ」


その言葉に並んでいた人たちは今日一番の大声で「「おっす!!」」と叫ぶ。

「お前らも頼んだぞ」

ソファに座っていた3人に向けられた言葉には各々が「了解」と口にした。