「あのさ……。昨日、言い忘れたんだけど私ヘルメットくらい被れるよ?」
私の言葉にバックルを締めようとしていた怜央の手が止まる。
けれど、数秒後カチャと音がした。
「まぁ……そうだろうな。でも、姫にならなんでもしてやりてぇんじゃないの?総長って」
そんなの私に聞かれてもわからない。
怜央にとっても私は初めての姫で、色々と試行錯誤をしているのだろうか。
それともこれは本来、櫻子さんにしてあげたかったこと?
昨日から怜央が優しく接してくれるたびに、脳裏には櫻子さんの影がちらつく。
どうしてだろう……?
「そういや俺も言い忘れてたことあったわ」
まだ一度も会ったことのない櫻子さんの姿を頭の中で描いていると、怜央が真剣な表情で私を見つめてきた。
何か重要な話をされるのだろうか?
怜央の仲間の人たちについて?
それとも櫻子さんのこと?
張り詰めた空気の中、固唾を呑む私に対して発せられたのは「95点」という言葉。
「……きゅうじゅう……ごてん?」



