【完全版】雇われ姫は、総長様の手によって甘やかされる。








うちから自転車でおそよ10分の距離に位置するスーパー“ミカタ”。

お得な商品が数多く並び、閉店前にはお惣菜やパン、スイーツ等に一斉に割引シールが貼られる。

名前の通り庶民の味方であるこのスーパーでバイトを始めて1年と1ヶ月。

土曜日は開店から夕方までの間、客足が途切れることは一切なく、時間の流れが何倍速にも感じる日だ。

今日もいつものように8時間の労働を終えてタイムカードを切る。

更衣室で素早く着替えを済ませた後、すれ違った店長に「お先に失礼します」と声をかけてから店を後にした。

そして、道路を挟んだ向かいにあるコンビニへと走る。

昨夜、怜央と電話で決めた待ち合わせ場所だ。

その会話の中で、私が“雇われの姫”であることはチームの皆にも黙っておこうという話になった。

敵を欺くにはまず味方から。
そういう判断らしい。

私は雇われの身。もちろん、彼の意見を尊重する。