【完全版】雇われ姫は、総長様の手によって甘やかされる。



「こんなの傷のうちに入らないよ?」

「俺はそんな痕すらつけたくなかったんだよ」

「でも、こんな痕で済んだのは怜央のおかげだよ。怜央がちゃんと私のことを護ってくれたから。だから、そんなに落ち込まないで。ねっ?」

「別に落ち込んでねーよ」

なんだ。一瞬、天を仰いだから気になったけれど、どうやら私の勘違いだったようだ。

「というか私の方こそごめんね。あれくらい自分で対処しないとだめだったのに」

私は自衛力を認めてもらい、この仕事を任せられた。

つまり、今回の件は私の落ち度でもある。


「いや。俺が近くにいたんだから、俺が護るべきだった。場合によっては連れ去られてた可能性だってあるんだからな」


「……怜央ってば案外、心配性?」

「は?」

「だって、普通そこまで考える?」

「あのなぁ、姫には危険がつきものなんだよ。……でもまぁ、心配性ってのはよく言われる」

「へぇ、意外」

心配性の総長か。なんだかかわいい。