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「次は瑠佳の行きたいとこ行くか」
ファミレスのあった8階からエレベーターで1階へと下りる。
2人しかいない箱の中で、その言葉は唐突に放たれた。
「……えっ?」
「まだ俺と一緒にいるのが姫だって知らない奴の方が多いからな。少なくとも1週間は外歩かねーと」
「あっ……!そうだね」
ビックリした。一瞬、普通に遊びに誘われたのかと思った。
違う、違う、これは仕事だ。
「私は暴走族がよく集まる場所とか知らないし、怜央が行き先を決めた方が確実じゃない?」
「別に直接会わなくても、噂になりゃそれでいいんだよ。そしたら、奴らは勝手に嗅ぎまわるからな」
「なるほど……」
「だから、行きたいところねぇの?」
「あるにはあるけど……」
行きたいところならたくさんある。
中学生の頃に憧れていたテーマパークやスイーツの食べ放題。
最近、近くにできたと噂のプラネタリウム。
けれど、仕事中に発生したお金は自分が出すという彼に易易と提案なんかできない。



